山田 唯勝さん
酒米
- 酒米と食用米には、どんな違いがありますか?
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酒米は、お酒の原料になるお米です。普段皆さんが召し上がっている食用米と種類が異なり、美味しいお酒を造るために開発されたお米です。
栽培方法は食用米とそれほど変わりません。違いは酒米の方が粒が大きく、米の中心に「心白(しんぱく)」という白く不透明な部分があることです。食用米にはほとんど見られない心白が、酒造りにはとても重要です。その理由は、心白は組織が柔らかいため、麹菌の菌糸が米に入り込みやすく、アルコール発酵しやすいからです。
酒米は一般に流通しないので、口にする機会はなかなかないと思いますが、増毛町では「食べる酒米」が販売されています!国稀酒造さんで購入できるので、試してみてはいかがでしょうか。
- 山田さんの酒米は、どんなお酒に生まれ変わりますか?
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私が栽培生産している「吟風」「彗星」「きたしずく」は、北海道が優良品種に認定した酒造好適米です。酒造好適米は酒米の中でも特に、日本酒造りに適した特性を持つお米のこと。「吟風」は芳醇さが特徴で、「彗星」は淡麗な味わい、「きたしずく」は雑味が少なく柔らかい味の日本酒になります。
酒米は食用米と違って、造るお酒により精米歩合が異なります。精米歩合はお米を削って残った割合のことで、この違いによって香りと味わいに変化が生まれます。吟醸酒は精米歩合60%以下、大吟醸酒は50%以下にまで削るので、スッキリとしたクリアな飲み口に仕上がります。
ちなみに私は吟風を原料にしたあかね雪と、彗星を原料にしたファーストムーンが好みです!
- 増毛町のお酒の魅力を教えてください。
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JAるもいエリアで酒米を栽培しているのは増毛町だけです。酒米は昼夜の寒暖差が大きい場所が適していて、増毛町は酒米に好条件な環境なんです。
美味しい日本酒を造るには良質な酒米が必要なので、私たち生産者は日々試行錯誤を繰り返し、現状に満足することなく進化に努めています。出来た酒米は地元の酒蔵、国稀酒造さんで日本酒の原料として使われています。増毛町では酒米も日本酒も、暑寒別岳からの伏流水を使うため、地元食材にベストマッチする淡麗なお酒ができるんです。ぜひ増毛町の日本酒を手に取って、毎日の食事やお仲間との会合でご愛飲いただきたいです。